カラオケによる健康効果は、歌の世界に入り込み、歌と同化するほど大きくなります。ですから、歌の選曲は、初心者であるほど馴染みやすいものがいいと思います。
さらに、できることなら、カラオケのディスプレイに表示される歌詞を目で追いながら歌うのではなく、歌詞をしっかりと暗記して、その内容を自分なりに味わいながら歌えるようにすると、もっと効果的です。こうしたことから、日本人が健康カラオケを実践するには、演歌がとくに向いていると思います。
それは、演歌が日本の文化に深く根付いてきた歌なので、日本人の心に馴染みやすいからですが、医療の現場で見ていても、演歌による健康効果が大きいことが認められます。
これは、演歌の歌詞に他の曲よりストレートな感情表現が多いことや、ドラマ性やストーリー性が巧みに織り込まれていることも影響しているようです。しかも演歌には、激しい恋情や女心、男心を歌ったものも少なくありません。
ところで、演歌が健康カラオケに向いているといいますと、「演歌が好きな中高年世代はいいとして、若い人はあまり歌わないんじゃない?」と思われるかもしれません。
ところが、よく調べてみますと意外にそうでもないのです。もちろん、若い人がカラオケで歌う曲は、世代の近いR&B やHIPHOPといった最近のヒット曲が多いでしょう。
しかしそんな彼らでも、不思議に1、2曲は気にいった演歌を持ち歌にしていて、合間に熱唱したりしていると聞きます。カラオケ店関係の方の話では、とくに若い女性ほど演歌の持ち歌を数曲もっているそうですよ。きっと演歌とは縁のなさそうな若い世代であっても、演歌は感情移入しやすく、歌っているとカラオケハイを味わえることを無意識に感じているからでしょうね。